トランプがパナマ運河の通行料を「高すぎる」、「われわれは搾取されている」と言い出し、適正価格に下げなければ、「運河管轄権を取り戻す」と言い始めた。
そもパナマ運河とはスエズ運河開設を指導したサン・シモン主義者のレセップスが仏政府の援助で手掛け始めたが、失敗。それを「カリブ海をUSAの裏庭にする」棍棒外交の方針の下、米国が主導して開設した。
しかし、実際にジャングルの中でマラリアと栄養失調に苦しみながら作業に従事した労働者の圧倒的多数は中国人労働者(クーリー)である。これは米大陸横断鉄道の作業についても同じ。しかし、パナマの場合、マラリアと栄養失調によって大量の中国人労働者が死に至った。
さて、パナマは元来コロンビア領であったのだが、米国は運河を直轄に置くために、「パナマ共和国」なるものを建設、コロンビアから切り離した。
しかし、スエズ運河がエジプトのナセルによって国有化されたの一にして、パナマでもトリホス大統領が運河管轄権の返還を要求、国民の圧倒的支持を受けた。ところが、こともあろうにレーガン政権は1981年にトリホスを「得意の飛行機事故」で暗殺、「あの」ノリエガを後継に据える。
しかし、ノリエガが邪魔になると1988年に海兵隊が侵攻して逮捕、米国で裁判の上、服役。