韓国ではクーデタ未遂の尹大統領が現在、逮捕を待っている状態。
他方、仏では内閣不信任を可決されたマクロン大統領が、バイルーを首相に任命して延命を図りつつ、野党を「国民の敵」などとクーデター前夜か、と思わせる発言を繰り返し、ルモンドなどマスコミに対する統制も進んでいる。
ところで仏も韓国と同じく最上部の権力闘争が表に出る国柄。
この度、元大統領サルコジが1年の実刑判決。これは大きくみれば同じ保守派(ド・ゴール派)の元大統領シラクの報復である。
というのも、ENA出身の「エリート」シラクとある種橋本徹的たたき上げのサルコジは、保守内部で激しい権力闘争を展開。シラクは大統領退任後、刑事事件で訴追、2011年執行猶予付き禁錮錮2年の有罪判決となる。
これに対しシラクは2012年の大統領選で同じENA出身のオランド支持を大々的な記者会見で公にし、サルコジは敗北、2013年直ちに刑事訴追された。
エナルク(ENA出身者)のエリート支配は現在のマクロンまで続く。同時に政治の内容は治安管理強化、米国追随、新自由主義とサルコジ路線を踏襲する形となる。この過程でかつて政権党だった社会党は実質的に解体。
マリーヌ・ルペンの極右の躍進もこの支配エリートのサルコジ化と連携したものと言えるだろう。