クーデター未遂の尹大統領、「国民に謝罪、辞任は否定」などと述べているらしいが、こんなふざけた話はない。
クーデターとは、それ乃ち「法と議会」のルールを停止して、政敵を暴力(軍隊)で排除すること。
これに失敗すれば、「法の保護」から外されても、筋としてはやむを得ない。今回の場合、元来右派(ただしクーデターには無関与)の勢力が韓国社会にそれなりに根を張っているので、「政治的」に弾劾・辞任あたりが穏当な落し所になるだろう。
とは言え、右派も尹と心中させられてはたまらないので、これから尹の「切り捨て」を演出するのに忙しくなると思われる。
それにしても韓国、及び東アジアの軍事クーデターはWWII後、米国の支持なしに成功したことはなく、その意味でも今回のクーデター未遂は最初から成功の見通しはなかった。またクーデタ―は、必ず軍主導である。
如何に検察が韓国で凄い権力をもっているとて、検察は「法の支配」を前提とした権力であり、「法の支配」を一時停止する実力をもつ軍とは性質が違う。
故に今まで韓国の権力闘争で(元)大統領を検察が追い落とす際には既存の法の枠組みを利用してきた。
ただ、いずれにせよ、今の韓国社会の最大の問題は格差と貧困であって、これに対処できない限り政権は安定しないだろう。