しかし、村上隆はともかくとして21世紀に入って、落合Jrやスプツニ子!が「アーティスト」を自称するにようになったのは、「劣化二乗」という所だろう。
落合陽一は「身分制にもいい所がある」として古市ともに、「民主主義解体」を鼓吹し、スプツニ子!はネオ・リベエリートに「バラエティー」と(代理母出産の可能性)」を提供する、といった具合である。
こうなってくると、「芸術家」というよりは「芸能人」であり、その辺りのことも自覚して「アーティスト」などと名乗っているようだ。
サブカルの中でも比較的多様性があると思われる漫画にも最近自称「脳科学者」中野信子原作のものが侵入していると聞く。
中野信子と言えば芸能プロダクションに登録・TVレギュラー、昔外で食事中「アジア人で主体的に思考できる人は2割以下と脳科学で証明されている」とTVで話しているのを聞いて椅子から転がり落ちそうになった。
この人は三浦瑠麗と違って、一見「政治」的な矢面には立たなず、反感も持たれにくいのか、着実にキャリアを積み重ねているが、彼女の振りまく「脳科学」言説の「いかがわしさ」は三浦瑠麗と「どっこいどっこい」である。
芸能とて近世には権力と距離をとっていたものだが、現代の「芸能」は文字通り権力の幇間に堕した(吉本を見よ)。