なにやら「秋の叙勲」という行事があるらしい。
全く興味がなかったのだが、ふと新聞に「漫画家のつげ義春さん(87歳)が旭日中綬章」という見出しをみつけてちょっと驚いた。
たぶん、審査関係者のなかにファンがいたのだろう。
私もつげ義春さんの漫画は白土三平と並んで子供の頃からよく読んでいたし、別につげさん個人の選択には何か言うつもりは全くない。
ただ「あの」つげ義春と「旭日」という組み合わせに、ある意味「つくづく時代は変わった」と感じる。
つまり、かつて「サブカルチャー」とされたジャンルが完全に体制に公認された、ということ。仄聞する所では、『ガロ』を出版していた青林堂も今はすっかり右派系出版社になったと云ふ。
ところで、大江健三郎は文化勲章を断ったけれども、渡辺ー大江的な知識人を断罪しながら、東大文学部全共闘(というかセクト)で暴れた挙句、後韜晦的に自分達を「サラリーマン」と自嘲しながら、定年まで東大教授を続けた人達、これには感心しない(ついでに言うと、この自称「サラリーマン」を反復している東大教授がいる)。
どうも、そのうちの一人は、「秋の受勲」どころか文化功労者になっているらしい。「文化功労者」と言えば、終身年350万の年金が出る。もし、事実だとしたら、ちょっと呆れる話である。