なにやら東京一極集中是正案の一環として「東大の首都圏外への移転」という話がー選挙用にー浮上しているらしい。

 これは大学・大学院全部という意味であれば到底実現不可能な話である。

 しかし、教養学部2年間の間だけ、ということであればひょっとすると可能かもしれない。

 その場合、移転先は当然沖縄が望ましいと私は思う。費用は当然大学=国持ち。

 18-20前後の多感な時期に、米軍の基地負担を途方もない規模で押し付けられている沖縄で暮らせば、少なくとも一部の学生は本土では「知らない」現実を知る筈。

 また日本のエリートは、安倍、麻生、小泉のような完全な「支配階級家族」の一員でなければ、結局大部分東大からリクルートされる。

 その中に若いうちに「沖縄の現実」に触れる人間が出てくれば、多少は「植民地主義」とも形容される本土と沖縄の関係も、知られていくだろう。

 現在の段階では、マスメディアは性犯罪をはじめとする沖縄の米軍基地負担の実態を全く報じようとしない。

 このことによって、日米軍事同盟賛成、基地は沖縄に」という暗黙の合意が本土のマジョリティにも共有されている。

 しかし、東大生が集団でTVクイズ番組などではしゃくのをやめ、沖縄に2年住めば、次第に事態は変わっていくのではないだろうか?

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 実際、首都圏中高一貫校から東大ー官僚、多国籍大企業への道は、日本の中で極めて「例外的」空間。

 ところが、現在は一般人からかけ離れた「例外的な」感覚の人々によって政策決定のほとんどが行われている。

 一般市民は予め選択された政策を正当化するために選挙の時だけ「主権者」の気分を味わうに過ぎない。しかも判断材料と組み合わせる物語は予め、メディア+権力によって用意されており、それ以外のものは「非現実的」・「対案がない」と排除されている。

 沖縄や在日マイノリティのようにそもそも情報が一般に提示されていないことも多い。

 従って、東大が沖縄に移転するならいっそ教養課程+社会科学+人文学も一緒に移転すればよいのでは?

 というのも、沖縄でこそ、グローバルな政治の駆け引きをリアルに「見る」ことができるし、法律が警察によってどのように「運用」されているのかも知ることができる。

 また植民地化された周辺から考える、ことは人文学の再生のためにも必須とさえ言えるだろう。

 考えて見れば東大はつい先日突然学費値上げを決定したばかり。他の国立大学では学費をどのように「グローバル人材」育成のために活用するか詳細な計画がなければ値上げは許可されない。

 この値上げ分+国負担で財政的には十分可能なのではないか?

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