4代世襲の国会議員にして次期自民党総裁最有力候補(つまり首相候補)の小泉進次郎がまた、「寝言は寝て言え」と批判されているようだ。
伝え聞く所では、「大学などに行かずに旅館で働き始めて金持ちになる道もある」などと、それこそ「臍で茶が湧く」戯言を公にしたらしい。
勿論、法的・形式的には近代社会では「職業に貴賤はない」。しかし、現実には所得・社会的威信において大きな差がある。いわば階層差があることも、織り込まれているのが近代社会。
これを正当化するために「能力主義」という言説と制度があり、日本の場合、一般人は学歴によって「能力」を判断される。
しかし、この学歴は親の所得・資産と相関することは、統計的に証明されている(ということは少数のネグリジブルな例外はある)。
進次郎は「例外」なのだが、「家」の権力があまりに強大なため、階層を飛び越えて「支配階級」のメンバーとなり、遂には首相=最高権力者になろうとしている。
ところで、宋代以降の科挙制度によって中国は究極の受験社会となった。親が高官でも科挙に受からなければ3代で没落。
逆に科挙に受かれば出身地域が恩恵を蒙ったので、貧困家庭の「神童」は周囲の援助で「塾」に通い、科挙に挑戦。
ちなみに官と吏は元来ー臣と民と同じくー別概念である。