今日は一応「お盆」である。
この1年弱で亡くなった人。
A.ネグリー「自由と平等のために人生を捧げた」の遺言を残す。『帝国』による現代資本主義の分析は失敗に終わったが、「マルチチュード」の概念は、それこそカント的な「統制的」理念として生き続けるだろう。
F.ド・ヴァールーオランダ出身、妻はフランス人、米国で活動した人類学者、動物学者。英語圏で猛威を振るうR.ドーキンス的な「遺伝決定論」と新自由主義の結合を批判し続けた。霊長類研究を通して、「生物」としての「人間」の位置づけに大きな光を当てる。
J.A.ポーコーックーニュジーランド出身の政治的人文主義の研究者。一般には地味だが、17,18世紀研究を一変させた。
特に、日本の17世紀、18世紀研究はポーコックの出現で大きく変化した。
ただし、ノーマンの『クリオの顔』を再読すると、すでにポーコック的な政治的人文主義が注目されていることに気づく。
J.イスラエルの「穏健啓蒙」と「急進啓蒙」の区別、そこからも排除されたルソーとフランス革命について、現在まだ説得的な議論は提出されていない。
大江健三郎ー「サルトルにはじまり、サルトルに戻った」との記事が出たが、戦後文学との関係についての研究はこれからだろう。合掌。
「統整的」(正)