「研究秘密」に属するので、あまり詳細には展開できませんが、フーコーを研究しようとする若い人と一般読者に向けて、「フーコーを読む」ための簡単な指針をば。
1)以下のテーマを避ける
「フーコーと眼差し」
「フーコーにおける権力と抵抗」
「後期フーコーにおける生存の美学」
「ラカン派精神分析とフーコー」
これらは、研究として見れば全てサルトルの枠に収まるので、オリジナリティを欠く上に、フーコーのテクストのほとんどを無視することになる。
逆に言うと、お気の毒だけれども、このテーマの「先行研究」者は「フーコーを読めていない」証拠となる。
2)フーコーの生前刊行された著書、及び10巻を超えるコレージュ・ド・フランス講義録で扱われているている16、特に17・18世紀の分野を横断した文献をできる限り読み、この時代について、一定のパースペクティヴを獲得すること。
このためには、研究者の場合、19世紀、20世紀の言説に深入りすることはおそらく不可能になる。30年かければ別だけれども。
ということは、17、18世紀を専門とする研究者と少なくとも対話できるレベルに達しなければならない。
具体的には、17-18世紀を専門にする、しかも文学以外をカバーできる研究者がいる大学院に進むことをお勧めします。