意外なことに昨日(7月6日)の日経で、ここでもしばしば広告している、新雑誌『地平』についての長い記事が出ている。
創刊号の「コトバの復興」の酒井隆史さんの論考を取り上げ、「エキストリーム中道」について解説している。
主に欧米の政治・文化言説に対する分析概念として登場した、とされているが、勿論現代日本については一層当てはまる。
当てはまり過ぎて、「ウルトララ」ないし「エキセン中道」という分析視角さえ「抑圧」されてきた、と言ってもいい。
たとえば、「ネトウヨ」と自分を差異化するために自称「保守」を名乗ったり、自称「リベラル」でも「左翼」とは違う、と懸命にアピールする、という傾向。
実際、研究者や人文系編集者で「ネトウヨ」・極右は少ない。しかしここ30年の「左翼フォビア」は凄まじい。
とにかくなにはともあれ「あの人は左翼」と囁かれるのを全力で回避しようとする。
例えば東大法学部刑事法関係者などは、日本の刑事司法の反「人権」な在り方を批判する研究者を「アカ」と隠語で呼んでいる。
また『リベラルとは何か』という中公新書を書いている人なども「左派」と見られないように必死である。ま、この人は骨の髄からの日和見主義者なので、少しづつポジションをずらせているけれども。