丸山眞男に「であることとすること」という有名な文章があり、今でも高校の教科書に載っている場合はあるようだ。
大学の演習で3年生に丸山眞男のテクストを指定する際に、この文章のことに言及したら、「先生、その人プディングが好きな人ですよね!」と言われ、面食らったことがある。
「何故?」とよくよく聞いて見ると、「であることすること」の中でレーニンの言葉(と明示はしていなかったと記憶するが)として複数回使われている。
やはり若いので、プディングの味が気になり、記憶に残ったのだろう。
また鶴見俊輔の「北米体験再考」を選んだ時には、「先生、みつかりません!」と言われ、「どれどれ」とスマホの画面を見てみると、「北米体験最高!」で調べていて、この時は悪いが爆笑してしまった。
とは言え、元来頭はいいし、素直なので、2年後には立派に丸山や加藤周一、そして徐京植を語るようになって卒業していくのだから、「若い」というのはたいしたものだ。
実際大学4年で「本」を読む癖をつけないと、卒業後に習慣化するのはたいへん難しいのである。
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