日本でも著名な印象派の画家、ルノワールの息子、J.ルノワールの1936年の映画『ピクニック』。
父の世代の作家モーパッサン原作の映画化だが、光と影の扱い、野外撮影など多くの点で、ネオリアリズモ、ヌーヴァルバーグの巨匠たちに大きな影響を与えた。
ゴダールの「映画史」はアトリエから飛び出し、光と色の関係を追及した印象派・後期印象派の絵画を多く引用している。ただし、商業的に成功したルノワールの父は省かれているけれども。
J.ルノワールの『ピクニック』は近代絵画の出発点となったマネ『草上の昼食』の構図に近い。というよりも、明らかにこの絵画を下敷きにしている。
『ピクニック』は反ファシズム人民戦線の1936年に撮影され、J.ベッケルの助監督として参加している。
同じ年、ルノワール、ベッケルは人民戦線のプロガンダ映画「人生はわれらのもの」を撮影している。
尚、下写真左上は、『ピクニック』の主演、シルヴィア・バタイユ。当時G.バタイユの妻であり、後J.ラカンと結婚、シルヴィア・ラカンとなる。