フォロー

  昨年くらいからメディア(といってもほんの一部)だが、現在の格差と貧困の拡大の出発点として注目されるようになたった1995年の日経連の「新時代の日本的経営」。

 この文書の作成に関わり、存命の人物は、「本当は正規の待遇を下げたかったが、それは組合との関係からできず、代わりに非正規を拡大することになった」、とか「非正規は景気変動の一時的調整弁であって、その後正規化されると思っていた」などと供述しているが、ま、それは話半分。

 この文書にはもっと根本的根本的背景がある。つまり90年代の怒涛のような日本の大企業の「多国籍化」への対応である。

 欧米企業は1950年代から多国籍化していたが、日本はオイルショックを減量経営で乗り切り、80年代には自動車・家電を中心とした巨大な輸出超過となった。

 この日本企業の競争力の背景には「系列」や「業界間調整」など海外進出には不向きな面があり、大企業は90年代初頭まで多国籍化に慎重だった。その頃の円安もこの傾向に拍車をかけた。

 ところが、米国の圧力で、円高・金融ビックバン・商法・債権法改正と続き、日本の製造業も他国籍化を選択。結果製造業の「正規」の多くは消滅。多くのサービス業も非正規。
 所謂「ホワイトカラー」の多くもAIによってその地位が脅かされるに至る。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。