都知事選と同日、7月7日の仏国民議会選挙、Point誌による「仮に来週日曜(6月23日)に投票するとしたら」の問いに対して。
極右29・5、「人民戦線」28・5、マクロン派18、共和党7、でこれは予想通り。
政治エリートはすでにウルトラ新自由主義に染まっているが、仏で政治シンボルとして「左右」の激突となると、歴史上常に「左翼」が勝利して来た伝統がある。ここは政治的立場として「左翼」と「右翼」の語源を創った「腐っても」革命の国。
この政治文化をホブズボームなどはよく「En France, il n'y a pas d'ennemi pour la gauche」と仏語で表現する。日本語訳ではこれが「仏では左側に敵はいない」となっている版もあるが、これでは意味が通らない。
つまり、決選投票になれば「左」が過半数になる可能性が高い、ということ。
マクロンは「人民戦線」をルペンと並ぶ「左右の過激派」と呼び、メランションを「反ユダヤ主義者」と罵倒、「ブルムは墓場へ」と叫んだが、どうもすでに「負け犬」ムードである。
しかし、そこは政治エリートはちゃんと保険をかけてある。マクロンを取り立てた前大統領オランドは「人民戦線」支持を表明、「策士」R.グルックスマンは社会党を裏で操る。
6月16日の投稿で、仏政治エリートは、二手に分かれて「新人民戦線」にも保険をかけいる、と書きました。
「人民戦線」が勝利し、中でもー予想外にーメランション率いる「服従しないフランス」が会派第一党になったことで、この「トロイの木馬」が作動し始めている。
「ブルムは墓場に」と叫んだマクロンは、「今回の選挙での勝者はいない」として、中道の連携を要請。つまり、メランションのLFIを排除するように要請。
これを受け、選挙では人民戦線候補として当選した社会党議員団が応じる姿勢を見せている。
現在の社会党は詐欺師A.グルックスマンの息子、政治屋R.グリュックスマンが裏で糸を引いている構図。
つまりマクロン派と人民戦線候補としてLFI支持者の票も集めた社会党でメランションを排除しようとする構図。
もし、これが通れば、選挙前と同じく建前上は「極左・極右」を排除し、実際にはウルトラ新自由主義法案成立には極右の票を貰う以前と全く同じ構図になる。そうなれば、次は本当に極右が単独過半数を取る可能性が出てくる。
現在シラク大統領時のド・ヴィルパン首相(ド・ゴール主義者)は、TVで「マクロンは選挙の結果を認め、メランションを首相に任命すべきだ」と主張している。
あとは、労組と市民の運動次第だろう。