BTしたグレーバーのインタビュー、「いらない職業」として、「弁護士、刑務官」とある所、多分Lawerを「弁護士」とだけ訳したのだろう、と確認したらやはりそうだった。
lawerは、米国ではロースクールを出た「法律家」集団であり、検察、裁判官も含む。
国家権力に批判的なグレーバーからすると、検察、裁判官、弁護士の順になる。
ただ、USAでは大きな「ローファーム」(弁護士事務所)は、国家権力への階段になっており、ここは日本との大きな違いである。(現段階の日本はローファームは巨大な富にはアクセスできるが、国家権力中枢の回転ドアにはやや遠い。)
例えば、米国国防省初代長官のフォレスタル、冷戦外交を進めたJ.Fダレスから、クリントン夫妻、オバマまで全員Lawerである。
また米国はGDPの欧州と比較してもかなりの部分を訴訟費用が占めるやや特殊な国。
またクリントン政権時代に黒人と貧困者は「刑務所」へ、という政策が採用されて以来、人口比刑務所収容人数はソ連の強制労働収容所を上回る。そこで無権利の労働力として搾取している。
加えて刑務所まで民営化するから刑務所警備員の雇用だけ激増した。ここでグレーバーが言っている「刑務官」とはそのこと。
日本ではまだ「マチ弁護士」は必要だろう。 [参照]