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「ケンブリッジVSケンブリッジ」

 先の投稿での「ケンブリッジ」とは米国ボストン州のケンブリッジを指します。

 ハーバードもMITも所在地はこの「ケンブリッジ」。地名の由来は勿論、英国の大学町ケンブリッジです。

 20世紀前半のケンブリッジはJ.M.ケインズを中心とした「ケインズ革命」揺籃の地となる。A.グラムシの友人であったP.スラッファもケインズの「インナーサークル」の一員である。

 この「ケインズ革命」が1930年代にはハーバードに波及し、シュンペーターの弟子達は、P.サミュエルソンを筆頭に皆ケインスに左担し、この点ではシュンペーターは孤独を味わう。ちなみに都留重人は旧制八高(名古屋大学教養学部)時代、満州事変に反対して治安維持法にて逮捕後、ハーバードに留学。米国では稀なマルクス主義経済学者、P.パランとP.スウィージーそしてサミュエルソンと親友になる。

 ただし、ケインズは新古典派の枠組みそのものを批判する意図ともっていたが、サミュエルソンはケインズ的発想を「新古典派総合」として取り込む。これが学問としての経済学における「ケインズ的妥協」。

 WWII後、ケインズの弟子のJ.ロビンソンは米国の新古典派総合理論を激しく批判。これが所謂「ケンブリッジVSケンブリッジ」論争である。

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