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 今からちょうど10年ちょっと前に当時「資本主義の終焉」論で有名な方と対談したことがある。

 その方は、「利率から見て資本主義はもう終わっている」という見立てで、私は「資本主義は簡単には終わらないし、現に終わっていない。また資本主義は政治経済が複合したシステムであり、利率だけみて全体を判断できるものではない」という構図になった。
 
 これは今から見ると、公平に見て私の主張に妥当性があったと思う。

 また対談の終りで、私が資本主義の地球化に対して、「自由、平等、友愛」のフランス革命の理念は、今こそ輝きを増しているのでは?と話すと、お相手は「そういう近代の話はもういい、って感じなんですよ」と応じられ、このあたり絶望的なまでの世代ギャップを感じた。(ただし、本になる過程でフランス革命の理念はそれなりに評価するという文言に代わっていたが)。

 現実はウォーラーステインが言うように、「自由」にして「平等」がほんとうに実現していたら、近代世界システムとしての資本主義はもう「この世」に存在していなかった筈である。

 今でも広告的に「新しい資本主義」とか「資本主義の終焉」とかいうフレーズが広告的に流通している節があるが、これには警戒が必要だろう。

 近代世界システムはそんなに「脆い」ものではないのである。

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