川崎さんの父上は千葉大学理学部理論物理学(素粒子物理)教授で戦後の反核平和運動を担い、ビキニで被爆した第五福竜丸の保存に尽力された方。
こちらの方面からも共通の知人がいて、それもかなり驚かれた。
川崎さんは、私立武蔵から東大法学部、そしてその後平和運動へ、という今やほぼ消え去った日本のエリートの「ノブレス・オブリージュ noblesse oblige」の最後の一人、と言えるだろう。
なんといっても川崎昭一郎の名を知らない理論物理学者はいない筈である。
他に私は個人的に挨拶・会話はできなかったが、原発訴訟代表団の海渡雄一弁護士、パートナーの福島瑞穂さん、辛淑玉さん、斎藤貴男さん、東京新聞の望月さんなど、なかなか豪華なメンバーがスピーチに立っていた。
私は、地平社のロゴがかわいい「熊さん」であることに触れた上で、もう一つの想像上の動物に言及。「熊谷さんは、我に義ありと感じても、やはり組織人である以上妥協が必要な臥竜だった」、しかし「その束縛から解き放たれた今、雲を掴んで天駆ける龍になることを信じて疑わない」とスピーチをした。
しかし昨日のレセプション、1930年代だったら、治安維持法違反で即全員検挙だっただろう。
その意味では、まだ言論の自由は辛うじて残っている、とも言える。