みなさま、ご存じの通り私は米中の直接軍事対決は「ない」という見立てです。
今日は、逆に日本・韓国と共通する中国資本主義の「危機」について。
現在、中国の最大の問題は日本と同じく少子高齢化と福祉の危機。
少子高齢化のスピードは、日本は実は東アジアで最も緩慢。
中国は革命後2世代ほど「一人っ子」政策を採用していたため、劇的に少子高齢化が進みました。
元来、中国は国家と社会の分離がはっきりしており、伝統的に福祉は宗族と言われる拡大大家族の担当。しかし、都市化と核家族化の進行とともに単純に言うと、2人で4人を支えることになる。
この10年の中国の政府予算の内、福祉予算の割合が急拡大している理由があります(軍事費は横ばい)。
また中国は宋代に原型ができた超学歴社会でもある。現在でも親が無理をしてでも子供を大学に進学させる。
しかし、日本・韓国と同じく大卒の就職率ないし雇用の中味は平均すると急激に低下している。また、結婚圧力が強い中で、若い男性の独身率が高まっている(元来男の数が多い)。
これは日・韓とも共通する資本主義的近代化と学歴を通じた階層上昇システムの危機、と言える。
とは言え、今中国の資本主義が倒れれば、日本も崩壊する。
その意味でまさにグローバルな危機、と言えるでしょう。