米国南部では黒人男性と白人女性の間に子供が生まれた場合、その関係は「レイプ」と見做される、と書きましたが、補足します。
例え、子供が生まれなくても、この関係は「レイプ」と見做されます。
また性的関係がなくても、白人女性と黒人男性が部屋で二人の所を「発見」されれば、法的には「レイプ」と見做され、地域の白人男性共同体からリンチで処刑されました。
これは南北戦争後も公民権運動の頃までほぼ変わりません。これが『アラバマ物語』の背景となります。
つまり、アレントが評価し、連邦政府の介入を批判した米国南部の自治コミュニティは徹底的に白人男性のものであり、その運営の実態たるや、黒人から見た場合・・・
ちなみに現在に至るまで、米国では黒人と白人の人種間結婚は極めて稀。これは北部でもそうです。
つまり「公」の世界にはネオリベエリートの黒人は入れますが、「私的空間」からは黒人は今でも排除されている。オバマは完全な例外であり、彼は奴隷の子孫ではなく、米国人とケニア人のハーフ。妻のミシェルは奴隷の子孫ですが。
これと比較すると、仏は人種間カップルの障害ははるかに低い。特に黒人男性と白人女性のカップルは多い。
ただし、これは仏に人種差別(特にアラブ系)がない、ということではありません。