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 近代における日朝関係史のパイオニア的な存在であり、また司馬史観や自由主義史観を当初から批判し続け来た、中塚明さん(1929生)がご逝去されました。

 戦前は勿論のこと、戦後も長く「東洋史」と言えば中国史のこと。朝鮮史は日本の大学に場所をもたない時期が長く続きます。

 1932生の朝鮮近現代史研究の姜徳相さんも、長く非正規で仕事を続けられ、一橋大学の専任になられてのは、1986年54歳の時です。
 
 日本現代史の左派のリーダーであった藤原彰さんが(1922生)一橋の専任になられたのが、1967年45歳の時ですから、日本近現代史の左派にとっても決して楽な「戦後」ではなかったわけですけれども。

 ちなみに東大史学科の近代史は文学部、法学部政治史ともに保守、実証的には「手堅い」ですが、イデオロギー的には「司馬史観」。

 中塚さんは京大で安丸良夫さん(1934年生)の先輩にあたります。

 ところで、中塚さんの逝去に対し、韓国の全羅南道の知事が追悼を出した、とのことですが、日本では、どうでしょうか?

 現在、日朝関係史は趙景達さん、そしてその弟子達の世代となり、ジェンダーの視点も繰り込みながら進化している。

 今、日本で哲学者を名乗るなら、最低中塚さん・趙さんの新書を全て読むべきでしょう。

 ところで、中塚明さんの訃報、「ハンギョレ」には「日本の良心、死す」との記事が出たようであるが、日本のマスコミはどうなのだろうか?

 私は、今の所気づいていないけれども・・・

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