国連安保理でのブラジル提案の「即時停戦決議」、賛同を得やすいように、ロシアはあえて棄権している。
また米と「特別の関係」があり、首相官邸にイスラエル国旗をぶら下げた英国スナク政権でさえ棄権。
そして日・中・仏が賛成。
外交的には米国が如何に孤立しているかわかります。そもそも英BBCは今回ハマスを「テロリスト」と呼ぶことをやめている。
ところで、ハマスをはじめとするイスラム・ジハーディスト(スンニ派)は、ほぼすべてエジプトのムスリム同胞団から派生した。
ここにエジプトが現在頑なに国境を閉じている理由がある。
元来エジプトはアラブの大義のために十字軍国家イスラエルと4度に渡り多大な犠牲を払って戦う。第二次中東戦争の政治的勝利(スエズ運河奪回)の後、ナセルは「現代のサラディン」とされた。
しかし、第四次中東戦争の後、サダトはついに米国に屈服、ソ連と断交し、イスラエルと国交回復(キッシンジャー外交)。
これに反発したグループはサダトを暗殺、また新自由主義@エジプトによる不平等の広がりの受け皿としてムスリム同胞団が勢力拡大。
「アラブの春」の後総選挙で政権を取るに至る。しかし、軍はこれをクーデターで打倒=シシ政権。
であるからシシ政権にとっても現在綱渡り状態なのです。