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「ゴダール、アルジェリア戦争、サルトル」

 WWII後の映画史、1940年代後半がイタリア映画(ネオ・ネアリズモ)、1950年代前半が日本映画の時代だとすると、50年代後半から60年代初頭はヌーヴェルバーグの時代と言える。

 以前にも書いたように、アルジェリア独立問題はWWII直後からフランス社会を混乱に陥れますが、1954年ー62年まではついに「戦争」状態に入ります。

 仏は1945年からインドシナの独立運動を弾圧してきたが、54年ついにジュネーヴ協定によって独立を認めます。

 マンデス・フランスはさらにモロッコ、チュニジアの独立を承認するが、アルジェリア独立承認には失敗、58年には事実上クーデターによって第四共和政は倒壊。

 独立阻止のために仏本国でも徴兵が始まり、「大義なき戦争」に動員される若者たちの間には一種の「虚無感」が広がる。

 ゴダールの『勝手にしやがれ』は、この若者の焦燥感と虚無感をベースにしており、単に「洒落た」スタイルの映画ではない。

 ゴダールとトリフォーはサルトルの支持者であり、前者は生涯サルトルを「守護天使 ange gardien」とし、後者はサルトルの伝記映画を撮った。

 68年の「革命」に参加したサルトルの傍に、ゴダールとトリフォーの姿もあった。

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