「法廷」
近年、新自由主義グローバリズムによる社会の変容(解体)に伴って、日本のみならず世界中で「極右原理主義」が台頭しつづけています。
インドでのヒンドゥー原理主義の台頭には、私は2002年の「ジャラードにおける「ムスリム」に対する「ポグロム」にショックを受けて以来、折に触れて不気味な関心をいただき続けていました。
このヒンドゥー原理主義政党(インド人民党)は、ある時期から国政を担当するようにもなり、一度下野しましたが、現在また政権に返り咲いています。モディ首相は、かつての「グジャラード虐殺」の際の州知事です。
米英日などはインド国内の「原理主義」に対して、「寛容」を示代わりに、中国包囲網に加われ、と誘っているのが現状です。
先日、 le monde でガンジーの暗殺者が、今やヒンドゥーの「英雄」として称揚されている、という記事を読んで驚きました。
「法廷」という最近のインド映画は、上記のような状況を背景にしつつ、アウト・カーストへの不当逮捕・判決を淡々と描いた作品です。
これは芸術的観点からも秀逸な作品で、昨今の世界レベルの映画風景では、トルコ、イラン、インドが先頭を走っている、という印象をも裏付けるものです。ヴェネツィア映画祭では2冠。