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 また、蜷川演出の芝居やある時期からの日本映画などで私が感じた、強烈な「ミソジニー」は、「批評」の世界でも・・形を変えながら・・柄谷、浅田、東、千葉へと世代を超えて「受け継がれている」。

 現在でも、文芸誌の「ミソジニー」はちょっとなんというか、「シーラカンス」が徒歩圏内の水族館で展示されている、という感じでしょうか。

 実際のところは、東浩紀などがの「ポリコレ」棒などといったネット・スラング的な卑しい表現は、現実の社会の中で権力が縮小していく「男」たちの最後の砦なのかもしれません。

 とは言え、先日書いたように、ライト・ノベル、SF、歌謡曲、アニメ、漫画などの「サブ・カルチャー」にはまだまだ底が見えない強烈な「ミソジニー」と「左翼」フォビアが渦巻いていることは間違いありません。

 さて、それはそれとしてNHKなどのテレビ・ドラマに演劇が進出し、ある程度「反体制」的なドラマを創れた時代として、1980年が下限になる、興味深い例を三つご紹介します。

 一つ目は福田善之が脚本を担当した1976年の「風と雲と虹と」。

 これは平将門を「体制」への反逆者として位置づけると同時に、海の民、漂白の民(吉行和子、草刈正雄)を登場させるなど、あえて言えば石母田正と網野善彦の世界が入り混じった作品です。

 

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