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「新劇」と「アングラ・小劇場」、そして「ポスト・モダニズム」の消費社会へ

 10代後半から30代の間、15年ほど「近代演劇史」に関心があり、かなり上演に通ったり、戯曲を読んだりした時期があった。

 その際もった感想の一つは、「新劇」と「アングラ・小劇場」の関係は、ほぼ綺麗に「戦後民主主義」と「新左翼」の関係に相似している、ということ。

 これは「演劇」というジャンルがそもそも「政治」と「宗教」に隣接していることとも関係があるだろう。

 しかし、日本の戦後演劇の場合、それにとどまらない戦後運動史との類似性がある。

 たとえば、民芸(宇野重吉)や俳優座(千田是也・滝沢修・東野栄治郎)は、共産党や社会党といった政党・運動と全く無関係、というわけでもなかったが、「戦前」の「政治」への従属に懲りて、一定の距離をとっていた。 

 そして、「逆コース」に対して黒沢明など映画関係者とともに抵抗し、60年安保でも「安保に反対する演劇人の会」などで目立った動きとして注目されていた。

 またある時期までは戦後の映画、とくにテレビドラマのキャストも、「新劇」関係者からリクルートされていた。例えば「民芸」の吉行和子、「俳優座」の加藤剛、西村晃、原田芳雄、中村敦夫、市原悦子などなど。

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