マンハッタン計画とWWII後の科学術政策について投稿したところ、このプロジェクトの責任者オッペンハイマーの伝記映画の広告について、ひと騒ぎあったらしい。

 ちょっと、調べてみるとこれはひどい。

 以前、米国では原爆投下後のヒロシマ・ナガサキの惨状について、初等・中等教育で全く教えていないことは、投稿しました。

 原爆を「無人の野原」に落とした、と考えている人もいる。

 今回の事件は、そうした背景をもって起こったもの。

 根本的には、最大の核大国米国の中等教育でヒロシマ・ナガサキの惨状を教えるべき。

 先のG7、なにはともあれ「核なき世界」を大義名分で岸田首相とゼレンスキー、広島ドームを背に写真に収まった。

 日本政府、これを機に米政府に「原爆投下」に関する教育をもう知れるなり、政府主催の原爆展示を米国内で行うなりすべきでしょう。

 昨日も日経で自衛隊制服トップが「弱く見られてはいけない」と啖呵を切ったばかりでは?

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 一般論としては、各々の国の中等教育の内容は、それぞれの国が決定する。

 しかし「例外」はある。例えば現在の国際社会の土台=合意としての「反ファシズム」。

 例えば、ドイツの中等教育で「ナチスもよいことをした」という内容をドイツ政府が主権国家の専権事項、と主張することはできない。あるいは「ホロコースト」を広告のネタにすることは許されない。

 日本の中国侵略や「従軍慰安婦」=「性奴隷制」も同様。

 ただし、植民地支配に関しては連合国側も、WWII終了時点では継続するつもりであり、植民地支配の記憶の伝承については、「ファシズム」の記憶と別扱いになり、20世紀中は混乱が続いた。
 日本国内でも、ある時期までは1931年の満州事変以降の侵略が前景化し、1880年代からの日本の朝鮮侵略、植民地化への反省はやや遅れ気味だった。 

 しかし、オランダ、ベルギーの例に見られるように21世紀に入ってから、植民地支配の記憶に関しても、世界的に見て潮目は大きく変わった。

 もう一つの「例外」は核兵器。これは主権国家を含む全世界の生存に直接関わる問題であるから、単なる主権国家の専断事項となるべきではない。

 核兵器の使用がどのような「惨状」を引き起こしたかは、全人類が知ることが望ましい。

 

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