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 従って立憲主義・自由主義と民主主義の間は決してスムーズな正の関係ばかりではなく、軋轢は元来発生するようになっている。

 「価値」のレベルでも民主主義は政治的決定における「平等」を重視しますが、自由主義は「経済活動」を「自由」にするための保証・インフラ・投資を国家に求める。が、社会的・経済的「平等」には無関心ないし敵対的。

 英国的資本主義は18世紀中に英国を中心にかなり広がっていきますが、世紀末には仏ではすでにお決まりの格差と貧困が前景化していた。

 1789年の革命は当初「英国的立憲主義」を目指していたものの、農民や都市民衆が革命に参加することによって、「自由」とともに「平等」の比重が高まっていきます。

 ここに国民公会期に左にエべール、中道にロベスピエール、右にダントン、という構図が定まり、思想家としては「反英国代議制」のルソーの「平等」が「徳の共和国」の原理となった遠因があります。

 尚、仏本国でもロベスピエール、サン・ジュストのイメージは「恐怖」であり、18世紀啓蒙思想家のようにパンテオンには収められていません。

 しかし、一度フュレとともに大きく右に揺れた革命解釈、昨今の資本主義の危機の中で、今度は大きく左に触れている。実際自由と平等を対等に掲げた革命は仏革命以外にない。

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