「NATO首脳会議における駆け引き」
リトアニアの首都、ビルニュスで開かれていたNATO首脳会議は12日新文書を発表。
NATO事務総長ストルテンベルク氏は「NATOの最も緊密なパートナーは日本」と発言。岸田首相も「欧州・太平洋は一体」と演説。またNATOの演習に自衛隊の「オブザーバー参加」を拡大するとしました。
他方、中国包囲網の拠点として構想していたNATO東京事務所の解説は仏マクロン大統領の反対で見送り。
これは、中国との関係を重視する独仏と東アジアへのNATO拡大によって中国包囲網の環を完成させたい米国との対立・妥協の産物と見ることができます。
しかし、米国も中国と全面的な対決になることは望んでいない。日本政府・メディアは頻りと台湾有事をでっち上げて、そこに日本の役割を見出そうとする。
つまり米国の覇権は衰え、中国に対峙するには日本の助けが不可欠、と「米国に恩を売ろう」としている。しかし米国の経済的覇権は衰えてはいるものの、軍事的には圧倒的に中国より上。日本の助けなど必要としていない。
その上、外交上中国との対立を深めれば深めれるほど、経済的には日本は苦境に陥る。
現在の日本政府のハイ・ポリティックス、もはや支離滅裂のまま「ナイアガラの滝」に向かっている。