G.ドゥルーズと「シャトーブリアンからの手紙」
「シャトーブリアンからの手紙」とは1941年ヴィシー・ナチに対するレジスタンスに参加した17歳の少年ギ・モケが仏警察に逮捕、海辺の街「シャトートブリアン」の収容所から銃殺の前日、母に書いた手紙のこと。これは涙なしには読めない。
17歳のギの処刑にあたってはド・ゴールがロンドンから追悼を、チャーチルとルーズベルトはそれぞれ非難を発表。
この事件をシュルレアリストにしてコミュニストとなったL.アラゴンは地下出版(Minuit)にて『殉教者の証言』として発表。
さて、この手紙2007年右派のサルコジ大統領が「共和国」を讃える詩としてギの銃殺の日、リセで歌うように法制化、その際左派は批判。マクロン与党が「共和国、前進」であるように、WWII以後は右派が「共和国」を掲げます(これが日本と政治軸がずれてわかりにくい所。)
しかしこうした政治的利用とは別にフランス人の多くは「シャトーブリアンからの手紙」を知っています。
ところで、実は哲学者G.ドゥルーズはこのギ・モケと同じクラスだった。また1944年23歳だったジルの兄ジョルジュ・ドゥルーズはレジスタンスに参加した廉で逮捕、ブーヘンヴァルト収容所に移送途中死亡。ジルの記憶には「英雄の兄」として刻まれます。