米国の「戦争体験」
米国が外国軍に侵略されたのは1812-1815年の米英戦争の際のみ。
この時は英仏最後の覇権戦争、つまりナポレオン戦争中、仏との貿易を断ち切ろうとした英国との間で戦争が勃発。
(米は独立革命への仏の支持、共和国理念への共感からジェフーソンなどは仏支持。ただし、当時の国力から見て政策としては中立。ただし経済的観点から仏との貿易は継続しようとした)。
この際、ワシントンDCが英軍に焼き討ち、ホワイトハウスも破壊されました。
しかし、その後米国は大陸最強の国家に成長。米国にとっての「戦争の悲惨」の歴史的記憶は「内戦
civil war南北戦争」です。
南北戦争の死者は二度の世界戦争を含む、20世紀のすべての戦争のでの米国人戦死者をも上回ります。また、地上戦となったため、北軍の「騎行戦術」の対象となった南部地域はかなり悲惨なものとなりました。
この際は支配層の子弟もかなり死亡しましたので、この「記憶」は長く伝えられることになった。(哲学者W.ジェームズの兄弟も回復不可能な障害を負った)。
しかし、その後WWIIでは米国は最小限の犠牲で「恐慌」を克服、また世界の最強国となったので、WWIIは米国民の記憶の中では「正義の戦争」であるだけでなく、「よい戦争」になったのです。