しかし、「野原に落とされたと思っていた」とはやや絶句。

とは言え、あのアニメ映画でこれだけの反応があるのが「米国一般市民」のいい意味の「素朴さ」です。。

実はこれまでの歴史で空爆に晒されたことはありません。

ですので、東京大空襲をはじめとした「戦略爆撃」や原爆投下後の一般市民の「様子」は基本「わからない」。

これは21世紀の対テロ戦争でも同じ。一般米国人は最新テクノロジーによって「テロリスト」だけを「ピンポイント」で殺害している、と思い込んでいる人が多い。

ですから、米国の中等教育で映像・写真を中心にした広島・長崎の投下後の市民の惨状を教えることは大きな意味を持ちます。

ところが、米政府は未だに「原爆投下は正当」の立場。ですからバイデンも「核のない明日」と記帳しても、絶対に「謝罪」はしません。

そして今年4月からは核搭載F15Eを沖縄に配備。その直前には米国で核投下実験を行っている。

今日の「日経」1面は「G7、ウクライナ支援結束」の見出し。解説では「G7リアルの凄さをみせつけた」とぶち上げ、ゼレンスキーが広島に「降り立った」ことの意味を強調。

「専制主義国家」の抑止のために、広島サミットを「起点にしなければならない」と結ぶ。

いやはや、これ新冷戦宣言以外の何物でもない。(続く)

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米国の「戦争体験」

 米国が外国軍に侵略されたのは1812-1815年の米英戦争の際のみ。

 この時は英仏最後の覇権戦争、つまりナポレオン戦争中、仏との貿易を断ち切ろうとした英国との間で戦争が勃発。

(米は独立革命への仏の支持、共和国理念への共感からジェフーソンなどは仏支持。ただし、当時の国力から見て政策としては中立。ただし経済的観点から仏との貿易は継続しようとした)。

この際、ワシントンDCが英軍に焼き討ち、ホワイトハウスも破壊されました。

しかし、その後米国は大陸最強の国家に成長。米国にとっての「戦争の悲惨」の歴史的記憶は「内戦
civil war南北戦争」です。

南北戦争の死者は二度の世界戦争を含む、20世紀のすべての戦争のでの米国人戦死者をも上回ります。また、地上戦となったため、北軍の「騎行戦術」の対象となった南部地域はかなり悲惨なものとなりました。

この際は支配層の子弟もかなり死亡しましたので、この「記憶」は長く伝えられることになった。(哲学者W.ジェームズの兄弟も回復不可能な障害を負った)。

しかし、その後WWIIでは米国は最小限の犠牲で「恐慌」を克服、また世界の最強国となったので、WWIIは米国民の記憶の中では「正義の戦争」であるだけでなく、「よい戦争」になったのです。

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