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さて、或る時「現代倫理研究会」で小泉義之さんの「兵士デカルト」(1995)の合評会をすることになり、ご本人にも来て頂いた。

本についての議論は忘れてしまったが、研究会中の小泉さんの発言の中であまりにも驚いたので、今でも覚えているものがある。

「私は第一次湾岸戦争の際は、アメリカが世界の警察となって、犯罪者(イラク)を討伐するのを是としていた」が、「現在(1995年or1996)は問題はそれほど単純でもないと考えるようになった」

これを聞いて私は驚愕しながらも哲学研究者にありがちな「政治音痴」なのだろう、と自分を納得させた。

その日は研究会の後飲み会に行った時、大庭さん、小泉さん、私の三人の席になった。

そこでの小泉さんの発言は、悉く「政治音痴」(ただ高橋哲哉さんを憎んでいたのはわかった)で、大庭さんは軽く受け流し、それに対しては小泉さんは「子栗鼠」のような振る舞い。

ところが、京都に移ってからの小泉さんは何かに「憑かれた」のか、なにやら急に自信過剰になったらしく、ついに市田等とともに吉本隆明の「反核異論」に倣い「脱原発異論」(脱原発を批判する本)を出版するに至った。実は、最初私は同じ人だとはにわかには信じられなかったのだが。

これも京都という「場所の力」なのだろうか。それとも?

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