最近、米シリコンバレー銀行と米シグネチャー銀行が倒産したが、GPIF(年金基金)は、両行の550億円分の債権・証券を保有していたらしい。これは倒産なので、文字通りゼロになる。
GPIFは国内外債券・証券の世界有数の「投資家」となっており、運用資産は約200兆。しかし、これは実体経済ではなく、「投機に」200兆注ぎ込んでいることを意味する。
国内株式債権合わせて50%、約100兆が国内市場に注がれている。その上、日銀が東証上場企業の3分の1で筆頭株主であるのだから、今の日本資本主義が如何に倒壊寸前であるか、わかる。
つまり、現在、大企業の所有主は「国家」になっている。
法的には株主筆頭の政府の意志によって非正規の正規への転換や賃金の上昇などは今すぐできる。ただし、政府がそうした立場、思想を持った場合には、だが。
いずれにせよ、かつては市場に任せて「失敗したプレーヤー」は退場していただく、と涼し気に述べ立てていたが、現在は市場そのものが年金基金で辛うじて存在している状態。また日銀マネーはいずれ一般市民への負担になる。
株式市場を存在させるために年金基金を崩壊させ、ハイパーインフレか大収奪の二択しかない、という末路では、もはや「体制」そのものの正当性も崩壊した、と言わざるを得ないだろう。