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シェイクスピア史劇「嘆きの王冠」(下)

 逆に、若き日のヘンリー5世(ハル王子)を描いた「ヘンリー4世 第二部」は20歳くらいの時から、オーソン・ウェルズのものも含めて4回くらい見ているのですが、年をとるにつれて、「王族・貴族」の傲慢さへの嫌悪が募るのは不思議です。

 このシリーズでリチャード3世を演じたB.カンバーバッチ、実際にリチャード3世の遠縁にあたるらしい。

 1485年のボズワースの戦いで斬死したと伝えられていたリチャード3世、それらしい遺体をDNA解析したところ、本人だと確定した。こういうこともあるのだなー。

 リチャード3世に代わり、王位についたヘンリー・チューダーが「小ブリテン主義」を採用、ここに英仏政治権力は最終的に分離していくことになります。

 ちなみにシェイクスピアはチューダー朝ルネサンスの芝居なので、基本チューダー家の人間に好意的、逆にリチャード3世を可能な限り「悪」に描く必要あり、それが現代にも通じる「悪」の結晶の造形の成功に繋がったとも言えます。

 日本では「リチャード3世」、あまり上演されないようだが、英語圏では実はシェイクスピア劇の中で最多の上演だとか。

 いずれにせよ、英国のシェイクスピア俳優にとっては「ハムレット」より「リチャード3世」が栄誉です。
  

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