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現在、哲学・思想と社会科学が切れ、それぞれの領域での細分化・専門化が進み、「現在」の状況に学問がどう関わるか、は見えにくい。

他方、とは言え、サントリー財団、笹川財団、上廣財団(実践倫理佼成会)などのネットワークの政治・経済・社会+人文は、はっきりと「現在」の状況に対してオリエンテーションをもっています。

つまり、「明治維新」肯定、15年戦争は陸軍の責任、性別規範、セクリュアリティは「醇風美俗」ないし「反フェミニズム」、そして新自由主義的再編と日米同盟の深化、その全体として反「戦後民主主義」がコンセプトとして共有されている。

1994年にサントリー学芸賞を受賞した大塚英志は、「結論で戦後民主主義と共産党を批判してくれればあとは何を書いてくれてもいい」と言われたと証言している。

この段階では社会党は消滅しているので、あとは共産党を弱体化・無力させれば、「戦後民主主義」を完全に葬ることができる、ということなのだろう。

振り返って「戦後民主主義」の支柱になった人々は思想と社会科学の接点を生きた。

例えば丸山眞男。政治思想史とともに、ファシズム政治分析と現代政治学の導入、さらに宮沢俊儀や芦部信幸などの憲法学者にも影響を与えた。

K.シュミットやH.ケルゼンの理解なども今日の水準から見ても深い。

芦部信喜(正)
宮沢俊義(正)

東大憲法学としては、

美濃部ー宮沢ー芦部ー高橋ー長谷部、という継承関係。

ただし、長谷部さんの時に芦部さんの「自由主義」ー「民主主義」の妥協パラダイムを学問的には放棄、「自由主義ー立憲主義」に純化する流れになった。

ただ、芦部さんの「葬儀委員長」が長谷部さん、というのがいかにも「東大一家」という感じです。

もちろん、とは言え、現在の長谷部さんの「政治的」スタンスは支持されるべき。

同時に何故こういう流れになったのか、については少し考察が必要でしょう。

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