さて、三浦は米国の知識人は「トランプさんを差別している」が私はそれに惑わされない、と続ける。(ブルデューどうなった?)

また三浦は、「中国は李白・杜甫以来まともな文学がない」やら「中国は元来権威主義的独裁体制」やらといった類の絵に書いたような「反中」言説をまき散らしていきます。

しかし、三浦氏本人は仏語も中国語もできないのは勿論、常識的な中国史の知識もないのは明白。

要するに、「トランプさん、頑張っている」の久保文明、中国脅威論を煽るサントリー=笹川ネットワークへ向けて「鉄砲玉」としての価値をアピールしているだけ。

三浦雅士、表向きは「全共闘」の理念に忠実な振りを装って「近代批判」・「戦後民主主義」批判は続けているが、転向して山崎正和の手の裏で踊り続け、現在「ザ・ネトウヨ」にまで落ちぶれた、と言えましょう。

その点、東浩紀と軌を一つにしている。

ところで「アステイオン」なる論壇誌、サントリー財団発行だから当然だが、昨日私が挙げた政治・経済・思想分野の御用学者・御用芸人たちがズラリと並んでいます。

70年代から現在までの言説史に関心の或る方はご一瞥下さい。

となると、80年代の東大駒場の中沢騒動、そして90年代の「批評空間」はどのような意味をもつのか?

そして佐伯啓思、中島岳志は?

「今、何が問題か」と問われれば、ただちに「中国」と答える by 三浦雅士

三浦氏の「反中嫌韓」言説ぶりは、2021年「アステイオン」の中国特集に寄せた文章においても健在。

ここでまず三浦氏はこの号の寄稿者が全員「男」ー田所昌幸、張競、池内恵、苅部直、細谷雄一、待鳥聡史、岡本隆司、武田徹、土居丈朗、中西寛、であることに「違和感」を覚える向きもあるかも、だが自分は「覚えない」と断言する。ーやれやれ。

そして、

収容所群島にしても臓器移植にしてもウイルスの機能獲得実験にしても、私はすべてマルクスにその起源があるのではないかと疑っている。

いや、これ「正気」ですか?あるいは実はに呆けておられるのか?

しかし、自称舞踊研究者として三浦氏は「反中嫌韓」を北岡伸一の「西太平洋構想」と結びつける「論理」(?)能力はおありになるようだ。

インドネシア舞踊がミャンマー、カンボジア、ベトナムを通って北上し、沖縄から日本――つまりは能――へと至ることは人類学史上のほとんど事実である。中国、朝鮮は、遊牧民の身体所作を承けてむしろ異質なのだ。

いやはや、身体所作の次元で、中国・朝鮮と「日本人」は違うらしい。ま、要するに典型的な「レイシズム」。

北岡伸一の「西太平洋構想」とは、それ乃ち中国包囲網のこと。

 

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「ザ・ネトウヨ」に落ちぶれた三浦雅士についての投稿、読み返すと、誤解を招く可能性がある
ので、補足・訂正します。

 文中、三浦氏の発言「」がついていないので、(まさかとは思うが)私の主張と誤解される形式的可能性があるので、次のように訂正します。

「収容所群島にしても臓器移植にしてもウイルスの機能獲得実験にしても、私はすべてマルクスにその起源があるのではないかと疑っている。」(臓器移植とマルクス、どういう関係?)

「インドネシア舞踊がミャンマー、カンボジア、ベトナムを通って北上し、沖縄から日本――つまりは能――へと至ることは人類学史上のほとんど事実である。中国、朝鮮は、遊牧民の身体所作を承けてむしろ異質なのだ。」

ソ連の強制収容所をマルクスにまで遡る「無理筋」の議論、欧米の反共言説ではありふれたもの。

ポパーなども「開かれた社会」の「敵」をプラトンまで遡っている。

しかし、ポパー的視点では歴史は叙述できないし、実際ポパーの「歴史」叙述はあまりにも「貧しい」。

これはフーコーも講義録で「ポパー大先生」と例によって嫌味に言及していたが。

むしろ問題は米国が強制収容所競争においてもソ連に打ち勝ったこと。

今や黒人はソ連よりも遥かに高い確率で刑務所に「強制」収容されているのです。

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