アーミッシュとメノー派、二つの「絶対平和主義」派
世界的に見ると、「絶対平和主義」には、宗教的背景があることが多い。
キリスト教の場合は「汝殺すなかれ」を文字通り実践する諸グループ。
有名な例ではクェーカー派。ペンシルヴァニア州は元来クェーカーの州だったので、独立戦争の際にも、補給物資担当に特化した歴史がある。
アーミッシュとメノーは、トラクターとガソリン以外の工業化を拒否した共同体として知られる。
両派は、16世紀ルターの同時代人の再洗礼派、メノー・シモンの流れを汲む。
再洗礼派と言えば、日本ではドイツ農民戦争とT.ミュンツァーで名前はある程度知られている。
アーミッシュは主にカナダと米国に散在しているが、メノーの共同体が政治的動乱で揺れるボリビアに存在している、ことは「le monde diplomatique」の記事を読むまで知らなかった。
共同体では牛乳が「通貨」として使われる。人々は朝、牛の乳を搾って、「買い物」に行く。
牛乳が通貨であれば、全く「蓄積」には不向き。すぐ腐ってしまうから。通貨は資本に転化できない。
社会装置として資本蓄積を不可能にする知恵と言える。
尚、子供は成人に際して共同体を去るか留まるか、選択できる。(再洗礼派ですから)