自民党(2)
従って、自民党には党を統一する「理念」はない。
「自由主義」を目指している訳でも「民主主義」を尊重している訳でもありません。
伝統的にいくつかの「派閥」が自民党内の疑似政党として「取引」している状態が長く続きました。
例えば官僚出身者を中心とした「宏池会」。
とは言え、右派の「清和会」も大蔵省主計官の福田糾夫をボスとして成立します。
そして田中角栄の経世会。
角栄が中国との関係を米国の許容範囲を超えて重視したため、政権から追い落とされたことは広く知られています。
また細川護熙、鳩山由紀夫など「新党さきがけ」の中心になった人たちも経世会です。
鳩山の「東アジア外交」なるものも、基本角栄的な線。
ただし、父鳩山一郎が、ソ連との国交回復の際、歯舞、色丹を「北海道と見做す」ことでまとまりかけた瞬間に米国に潰されたことは記憶しているでしょう。
これは米国がソ連と日本の外交を不安定化させる状態に置くために出た行動。
ただし、経世会的な「親中」も日米安保を前提としたものです。
ですから、状況次第では「政経分離」しかない。
しかし、もはやトマホーク5千発と「政経分離」は両立しません。
中国との関係は日本の「生命線」です。
現在大きな岐路に立っています。
米国は、中国との経済的関係を断ち切っても、生存可能です。ロシアに関しても同様です。
しかし、日本は今中国との経済的関係が消滅すれば、ほぼ確実に破綻します。
ロシアとの関係もそれに準じます。ロシアからの天然ガス輸入がゼロになれば、電気代・ガス代の高騰で生活が破綻する一般市民も多く出るでしょう。(日本の世帯の3割以上がすでに貯蓄ゼロです)。
ですから、本来日本は、非同盟中立が「経済的」には合理的なのです。
ただ、現在軍事的には米軍に占領されている状態、外交的にも、ほぼ100%近く「自発的隷従」を選択しています。
まずは、「自発的隷従」から解放されなければなりません。