注)「フランスにおけるエリート支配」について
アンリ4世校、ルイ・ル・グラン校からパリ高等師範学校(ENS)へ進学、ブルデューのいわゆる「国家貴族」とも言われる典型的なエリート・コースです。
フランスでは大学とは別に「グラン・ゼコール 」と呼ばれる国家養成エリート機関があります。
ENSは大学教授養成、エコール・ポリテクニックは、科学者、技術者、WWII以後設立されたENA(国立行政学院)は、エリート官僚養成機関です。
フランスでは大学では授業料基本無償ですが、これらのグランゼコールの学生は「給与」を与えられながら、「学業」に励みます。
サルトル、メルロー=ポンティ、フーコー、デリダ、ブルデューは、すべてENS出身です。
この1905-1930年生までの世代が「20世紀フランス思想」の「黄金期」と言えるでしょう。
また戦後の大統領ではG.ポンピドゥーがアンリ4世ーENSコース、その後ジスカールデスタンがルイ・ル・グランーENA、シラクもルイ・ル・グランーENA、社会党のオランド、そして現在のマクロンもENAです。
フランスのエリート支配は「エナルシー」と呼ばれるほど、こうした強固な「学歴エリート」(同時に富裕層でもある)の「再生産」によって特徴づけられます。