前にも書きましたが、日本学術会議は、WWII以後、「滝川事件」、「天皇機関説事件」などの、学問に対する弾圧の反省として、憲法に「言論の自由」とは独立して、わざわざ23条で「学問の自由」を明記し、その「学問の自由」を制度的に保証するものとしてつくられたものです。
ところが安保法制の際の「報復」=「みせしめ」として、「任命拒否」問題が起こり、岸田政権になっても、この「政治的」報復を撤回するどころか、学術会議の構成そのものに政府が介入できる「法改正」を表明。
これは、直接的には、大学を軍事開発に動員する、という目的がある。
以前にも書いたが、学術会議全体としては、今のところ「軍事開発」に協力することは「望ましくない」という立場。
しかし、工学系を中心に、「デュアル・ユース」の名の下に軍事開発に関与して巨額の研究費を獲得したい部分もすでに存在している。
来るべき法改正は、学術会議が軍事研究への協力への「障害」とならないよう、「介入」できるように設定するつもりだろう。
しかし、同時に、憲法23条に基づいた「学問の自由」は骨抜きにされることになる。
従って、学術会議問題は、たんに研究者に関わるだけでなく、日本国憲法体制への全面的な攻撃の重要な一環をなしている。。