『ザ・オーディション』(マイケル・ショトレフ) #読了 #よしざき読んだよ
俳優がオーディションに受かるための12のガイドを紹介する。興味深く読んだのは、俳優がいわゆる「演技の深み」を得るために必要な要素(ガイド)は、良い小説を書くために必要な要素と非常に似通っている。それが身体によって演出されるか言語によって演出されるかの違いだ。
特筆すべきは「ユーモア」「コミュニケーションと戦争」の2項目。
ユーモア:ユーモアとは人間同士のコミュニケーションを増やそうとする試みであって、単に相手を笑わせようとする冗談とは異なる。積極的なコミュニケーションによって、相手が背負っている重い荷物を軽くする、耐え忍ぶためである。
コミュニケーションと戦争:コミュニケーションとは相手との循環である。「送る側と受ける側」とがある。送る側は、①メッセージが明確だったか、②受ける側が受け取ったか、の2つを確認する義務がある。また、受ける側の義務は、①送る側のメッセージを受け取ったかどうか確認すること、②受け取ったことを送る側に伝えること、の2つである。
〈自分の小説〉に直接的に役立つ感じはしなかったが、創作論の別の切り口を読むのは興味深かった。
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