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『日本のものづくりを支えた ファナックとインテルの戦略(柴田友厚)

読み物として面白かった。
ハードウェア(工作機械)とソフトウェア(半導体)とが融合し、新たな産業が立ち上がっていく様子が克明に描かれる。富士通からスピンアウトして誕生したファナックと当時ベンチャーだったインテルとの協業の産物がCNC工作機械なんですね。両社とも、CNC工作機械のコンセプトが商品化されるときには新興のメーカーだったが、著者によるとむしろそれが功を奏したと。
工作機械は、NC工作機械(真空管入り)からCNC工作機械(半導体入り)へと進化した。この際に、NC工作機械で勝っていたアメリカの工作機械メーカーは、当時の基準で高品質な工作精度を求める自動車産業・航空機産業の既存の顧客を優先していたためにいわゆる「イノベーションのジレンマ」に陥っていた。一方のファナックはある意味では身軽だったおかげで、新技術である半導体を貪欲に採用することができた。
ファナックの躍進が幸運の産物であり結果論も多い(著者自身も認めている)のだが、製品の機能のモジュール化、インターフェースの共通化、密接なフィールドエンジニアリングについてはいま読んでも学ぶ所はあるだろう。

amazon.co.jp/日本のものづくりを支えた-ファナッ

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