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『データ分析に必須の知識・考え方 認知バイアス入門』(山田典一)

私は「認知バイアス」と聞くと、いわゆる「統計的バイアス」(誤差、疑似相関、交絡等)を真っ先に思い出した。しかしながら、統計的バイアスは数多ある認知バイアスの一つに過ぎない。そんな多様な認知バイアスに、認知の働き――記憶/認識/判断の三つの機能からアプローチする。
記憶の側面からは、私たちの記憶の機能の不確かさが解説される。記憶は固定されたものではなく、思い出す度に再構成される。再構成のされ方も、思い出すシチュエーションによって一定ではない。
認識の側面からは、私たちは「正確さ」以外のファクターに左右されることが示される。いわゆるステレオタイプやナラティブが私たちの認知に介入する。
そして、判断の際には、概して「自分の考えに都合の良い情報を探す傾向」があると説く。
では、私たちはどのようにして認知バイアスを回避することができるのだろうか? 一言で言えば、「いちど立ち止まって考え直すこと」だ。上述のバイアスは、いずれも、認知に掛かる(心理的な)コストを減らすために生じるバイアスである。認知のためにコストを払うことを怠ってはいけない。

amzn.to/46YUwM5

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