すると、いくつもの問いを発見するだろう。これらの問いの根底には、深く一般的な「問題」が横たわっているだろう。点のように散らばった問いを線で結んで大きな絵を描くようなイメージで、問題を描き出す。ここでようやく資料の登場だ。資料から問いを引き出すのだ。一つの資料を多くの視点から検めてみる。結果として、問いが生まれていることだろう。言い換えると、問いと問題とは、行ったり来たりの関係にある。線つなぎゲームのように、点を繋げるために問題を想像し、問題を想像するために問いを立てる。
続いて、問題を「プロジェクト」として設計し直す。上述の線つなぎゲームを成功させるためにはどんな資料が必要かを検討していく。プロジェクトの成功を思い描くのだ。これは、(自分中心の研究者でありながら)外向けの言葉も持った研究者へとなるということでもある。
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最後に「問題集団」と問題を共有する。自分の問題と同様の問題を抱えた集団と知見を交換するのである。このために重要なのは、問題集団の問題と、自分の真の問題との共通項を探し出すことである。例えば、自分の問題の変数を一つずつ入れ替えてみることは共通項を発見する有効な手段だ。変えた時に問題への興味が変わらない変数は、真の問題のための変数ではない。真の問題のための必須の変数とは、入れ替えた時に退屈になってしまうような――逆に言うと、入れ替えられない変数である。
最後の最後に、問い-問題-問題集団へのアプローチを、外向けの言葉で書くことでリサーチは完了する。
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