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『半導体ビジネスの覇者』(王百禄)

TSMCがいかにして半導体業界において最強の覇者となったかを説く一冊。まず「ファウンドリー」がビジネス上の発明だった。ファウンドリーとは、半導体の設計は行わずに製造のみに携わるモデルである。言い換えると、顧客からもらった設計通りに部品は作るが、設計は行わず、もちろん完成品も作らないモデルだ(逆に、垂直統合型のインテルやサムスンは、半導体の設計から製造から完成品までを一貫して行う)。TSMCは、このモデルにより顧客と競合する必要がなくなった。つまり、顧客は自社の完成品に関する情報が流用されることを心配しなくてもよいということだ(インテルやサムスンに、誰が自社のパソコンやスマホに使われる半導体を製造させたいだろうか? 完成品に関する情報が漏れるかもしれないのに)。覇者となったTSMCは勝ち続けるだろう、と締めくくられる。
今年の傑作『半導体戦争』よりも半導体ビジネスにフォーカスを絞っており、企業研究には必須か。

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