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『アウトプット思考』(内田和成)

本書はコンサルタント必読の『仮説思考』『論点思考』の著者の最新作。本書が説くアウトプットのポイントは三つある。
一つ目のポイントは「仮説を立ててからインプット/アウトプットする」。インプットの際に情報に溺れないようにすることが重要だ。本来、インプットとはアウトプットのためである。アウトプットにリソースを割くためにはインプットをできるだけ省き、前者に注力するべきなのだ。出来る限り少ない手札で勝負せよと述べる。
二点目は「自分が期待される役割」に沿ってアウトプットの表現を変え、他のプレイヤーとの差別化を図る」こと。情報量が爆発的に増えた現代において、インプット量や仮説=目的のないアウトプットは既に価値を持たない。真の価値とは、アウトプット先の相手に「刺さる」ものを提供することだ。相手が自分に求める役割を把握し、その役割に応じなければアウトプットは刺さらない。
最後のポイントは「関心へのアンテナの感度を高く持ち続ける」こと。そのために、まずは関心のある領域を実際に書き出してみて、自分の頭の中を棚卸しすることだ。関心を客体化することで、自ずとアンテナの感度は高くなる。
勝負はアウトプットである。そのためにはインプットを減らしつつ質を上げることだ。

と、一通りまとめてみたものの、『仮説思考』『論点思考』の読者にとって有用な一冊とは言えないかもしれない。基本的に、これら二冊に説かれていることが別の表現で書かれている。むしろ、この『アウトプット思考』から入って『仮説思考』『論点思考』に進むような読み方が望ましいだろう。

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