内容としては、とにかく半導体のビジネス!ビジネス!ビジネス! 半導体はビジネスとして生まれたごく初期こそはペンタゴンが最大の顧客であったものの、やがて CEO たちは民生品の需要を重要視するようになる。1970年代だか80年代の話だが、2023年現在にもその構造が続いている。米中の半導体を巡る貿易摩擦もまさにそこが焦点であり、結局、軍事転用されている技術であるにもかかわらず、アメリカ企業にとって(ペンタゴンより遙かに)巨大な市場である中国が魅力的すぎる。それがゆえに中国への技術移転が進んでしまう──。そんなジレンマが現代の米中の摩擦を引き起こしている。現代に関する記述はやや危機感を煽りすぎ感もあったが、歴史をここまで詳細に書いた本はこれが初めてか。