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『青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない』(鴨志田一)
ループものの今作。ループを一種の未来予測として見なすことで、ループの輪を閉じる必要性をキャンセルしたのはテクニカルでした。繰り返しの中で変わる感情/変わらない感情の峻別の付け方に面白味を感じます。行動が変われば気持ちも変わるし、同じ時を同じ人と繰り返せば愛着も深まる――。
「教科書のようだ」と勧められたのですが、その言葉に偽りなしでした。ループの陥穽へのハマり方、感情の変化をキーとしたループの抜け方、ループ自体の辻褄の合わせ方、どれも SF 的にはもっと書き込めたでしょうに、そこは説明過多にならずに登場人物間の気持ち最優先でお話を進めるところにラノベ作家の匠の技を感じました。

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