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『人間の土地』(サン=テグジュペリ)

数年ぶりに再読。何度でも読むに値する書。
この書の小説技法が優れているとは私は決して思わない(何度読んでも比喩にピンとこないところがあるし「人間」の章はほとんど主張を書き連ねるばかりである)。しかし、この書が伝える人間の生き様は、その欠点を補って余りある。僚友との友情、難破に際しての勇気(いま砂漠で苦しむ難破した飛行機乗りたちと彼らの帰りを待つ人々との立場の転倒が面白い。普通であれば前者「を」後者が励ますところを、本書では前者「が」後者を励ますのだ。なんと力強い飛行機乗りだろうか!)、それらが何とも心強い。

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