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三枝暁子『日本中世の民衆世界 西京神人の千年』

iwanami.co.jp/book/b611113.htm

本書で取り上げられている「西京神人」は、室町幕府が崩壊する嘉吉の乱、応仁の乱にはさまれた時期に起こった「文安の麹騒動」を起こした人々として知られている(自分は『もやしもん』のコラムで知ったクチ)。北野天満宮の管理する区域に暮らし、神社にそなえる神饌や、祭の際の労働力を提供したりする代わりに、麹製造の独占を認められたそうな。

タイトルに「民衆」とあるものの、幕府の庇護を受けた宗教法人の傘下にある商工業者(つまり特権階級の人々)の話であるので、広義での民衆の話を期待していた自分としてはちょっと肩すかし。寺社が都の経済を握っていたとか、権力者に対抗する手段として、自宅に火をかけて行方をくらます(自焼没落)という乱暴な方法を取ったとかいう話は面白かった。

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